健康志向で人気急騰のナッツ、油の食べすぎの心配には「大丈夫」の結果 |

ナッツ
ナッツの健康への好影響の情報が続々と出ている。
このところ末梢動脈疾患を減らす効果について大きく注目されたばかりだ
(ナッツで末梢動脈疾患を防ぐ、発症率○○%減少を参照)。
冠動脈性心疾患や、原因を問わない死亡率が低下するという結果も衝撃的だった
(ナッツ類を食べると死亡率が2割減る、糖尿病や心臓病の慢性病も3割抑制を参照)。
油が多すぎないか?
一部では「ナッツだけ食べていれば健康」という極端な意見も聞かれるほど。
ナッツの健康効果で、世界的な価格高騰が起きているのも最近の食品市場の話題の一つだ。
一方で、アーモンドオイルという製品もあるほどでナッツには油も多いと知られている。
油の取り過ぎにならないのか。
ここについて「大丈夫」というフォローの研究報告も出てきている。
アーモンドを噛んでもらい検証
英キングス・カレッジ・ロンドンの糖尿病・栄養科学部門のミリアム・グランディ氏らの研究グループが、
栄養学の国際誌アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌で
2014年11月12日に報告したものだ。
アーモンドは油が豊富だが、問題が起きない秘密とは?
研究グループは17人の健康な人を対象に、
アーモンドを噛むことでアーモンドが持っている脂質がどれくらい食べた人の血液の脂質に影響するかを調べた。
さらにアーモンドの微細な構造まで分析した。
まず、天然アーモンドまたはローストアーモンドをそれぞれ噛んでもらう。
口から出した塊の粒がどれくらい細かくなっているかを検証。
咀嚼されたアーモンドの微細構造を顕微鏡で調べた。
さらに、脂質が体に与える影響も粒の大きさと関係させながら検証した。
粒が大きすぎる、消化もされない
結果として、天然アーモンドにしても、ローストアーモンドにしても、
噛んだ後の粒の大きさのばらつきは、人によって大きく異なることはなかった。
脂質については、ごく一部が放出されるのみだった。
粒子の表面に付いたものが出てくるくらいだ。
結局、粒が脂質が漏れ出るほど細かくないのが大きいという結果だ。
アーモンドの微細構造を調べると、実際に、
アーモンドの細胞はほとんど無傷で脂質は細胞の中にとどまっていた。
しかも、消化されることもほとんどなかった。
結局、アーモンドはカロリーが低くなる。
「食後の脂質異常に与える影響も小さい」と研究グループは説明する。
文献情報
Jeffrey JP et al. Images of brain after mild stroke predict future risk. American Heart Association 2014 December 01.